第9章 ♡Story５６♡　生への選択

「っ……」



「誰も、貴女を責めることはしません。
自分だけが後悔しない答えを、見つけ出してください……。」



「っはい……そう、ですね(微笑)」



「……(微笑)」



「気分が、楽になりました……櫻井先生、
警視総監より家庭教師やカウンセラーのほうが似合うような気がします(笑)」



「お褒めにつかえて光栄です。」



「褒めてるって捉えていいんですか(笑)」



「ありがたく受け取っておきますよ(笑)
あとこれは、お見舞い用のお花と果物です。」



「うわっ……すごい豪華……(苦笑)」



「ふふ、喜んでいただけましたか？」



「はい！こんな贅沢なものをもらえるなんて……陸達と大違いですよ(笑)」



「ならよかったです。では私はそろそろ……」



「っもう帰っちゃうんですか？」



「さすがに面会時間を上まっていますからね……」



「……忙しくなければ、一緒にご飯でも食べませんか？
お母さんや太輔は帰っちゃったし……」



「……かまいませんよ？百合様がよろしいのであれば(微笑)」



「っはい！」
(櫻井先生とご飯食べるの、雅さんの屋敷にいた時以来だなぁ……)



「では売店から何か買ってきます。
百合様の食事は、そろそろ運ばれてくるところでしょうかね？」



「多分！」
(そうだ……そう言えば、九条くんから貰ったお弁当に手をつけていなかったや……
特にまだ治療もしてないし、食べても問題ないし……
ありがたく頂こ！)



こうしてふたりは一緒に食事を取ることになった。



ちなみに食事を運んできたのは芽衣子だった。






「では３０分後に回収に来ます。」



「はい、ありがとうございます。」
(やっぱ病院食なのかー(笑))



芽衣子が出て行き…



「では食事にしましょう……おや、そのお弁当はどうなさったのですか？」



「これ、クラスメートの九条君って人から貰ったんです。」



「九条……初めて聞くお名前……招待状にはそんな人の名前……」



「今年、転校してきたばっかりなんです。
そして……私の小さい時の幼馴染です。」



「幼馴染？」



「はい。でも２年間しか一緒に過ごせなくて(苦笑)
けど、またこの街に戻ってきたんです……」