第9章 ♡Story５６♡　生への選択

百合side


太輔と有希子が出て行き一人となった百合……



「……私……」






＿数十分前


「私は、死ぬまで元気に生きたい……です。
副作用が、キツいことは小学生の時に体験しています……でも、


やっぱり…死にたく、ない……です……」



「……慌てず、ゆっくり考えてください。
自分にとって何が、ベストなのかを……」









「死にたくは、ないよなぁ……死んだら、
太輔やお母さん達や陸達……


みんなと会えなくなるもん……でも、








＿TGCにて


『百合ちゃーん！すっごく可愛いよ！』



『へへ…ありがとう(照笑)』



『いっつも元気な百合ちゃんが大好きだよーっ！』








ランウェイ歩いた時、いっぱいファンの人達が声をかけてくれた……



ファンのみんなが求めている私は、














元気な玉森百合。」



治療を受けるってことになれば、ファンのみんなは当然私を心配してくれる……



大事な人達に、悲しい思いはして欲しくない……。



治療を受けるってなればずっと病院……レギュラー番組だって、



もちろんお休みしないといけない……。



そうなれば、ファンの人達は悲しむ……。



でも、










『俺達は、ずっと一緒だ。』




『早く元気になれよ　待ってる…。』



『俺は、ずっと元気なままの百合でいてほしい……。』



『芸能人でも百合は百合！
私達の大事な友達だもん！』



『お前は、俺らの大事な仲間だからな！』






みんなとだってずっと一緒にいたいよ……



なら、





いっそのこと芸能界を引退する……？








『百合、芸能界は甘いところじゃないんだよ。』



『どんなことがあっても逃げない？
自分が嫌だって思ったこともしないといけないんだよ？』






そんなの、逃げだ……。





ちゃんとみんなに真実を言わないまま引退するなんて逃げだ……。



ファンの人には、まだ何も伝えられていない……。



そんなの、




















ファンの人達にとって失礼だ……。