藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第8章 ♡Story55♡ 思い出話
「オーロラ姫、待ってぇぇ!!」
「はうぅぅ……」
しばらく走り続け、百合達は歩いているオーロラ姫のもとに
追いつこうとしていた。
よく見れば隣にはフィリップ王子もいた。
「あ!王子様もいる~♪ラッキー!☆」
百合の声に気づいたのか、オーロラ姫とフィリップ王子がこちらに振り返った。
「オーロラ姫~!
会いたかったよぉぉぉ!!」
思わずオーロラ姫に飛びつく百合。
ちょっとびっくりしたオーロラ姫であったが、心良く百合の頭を撫でた。
「可愛い女の子ね(微笑)
まるでプリンセスみたいよ。」
「お姫様みたい!?
私オーロラ姫になれる!?」
「もぉ百合ちゃん……」
(百合ちゃんはオーロラ姫よりはアリエルっぽいんだけど……)←
「ねぇねぇ!ほっぺにサインして!
百合ね!ちゃんと水性ペン持ってきたんだよ~♪」
ちゃっかり水性ペンをポーチから出す百合、
いつの間に用意したのやら……
「なんでペンなんて入ってんの!?」
「もっちろん!サイン貰うため♥
書いて書いて!顔洗えば消えるし、あとはお母さんに撮ってもらえば大丈夫だもん!」
「いいわよ(微笑)」
そう言うとオーロラ姫は百合の左ほっぺにサインを書いてくれた。
「ふふふ♪」
(クラスのみんなにも自慢しちゃうもんね~♪)
サインを書き終わると、水性ペンをフィリップ王子に渡した。
「僕からもサインをあげるよ(微笑)」
今度は右ほっぺにサインを書いていくフィリップ王子。
「わぁ……王子様にもサインもらっちゃた♥」
「あなたのお母さんとお父さんはいないの?」
「いるけど別のところにいるの!本当は写真も撮ってもらいたかったんだけど……」
「っねぇ百合ちゃん!そろそろ戻ろうよぉ……」
「……うん、そうだね!こうしてサインももらっちゃったし!
ありがとう!オーロラ姫、王子様!」
百合はお礼を言うと再び和真の手を握り走り出した。
そしてオーロラ姫とフィリップ王子はふたりの姿が見えなくなるまで
手を振ってくれたのだった。