第12章 ♯11
彼が用意してくれた紅茶は身体に沁み渡り、戦果を労われているような気がした。
「君には辛い思いをさせてしまったね」
「いえ。壁外は常に情報不足ですから。仕方がないことだと理解しています」
「・・・強がらなくていいんだよ?」
優しい言葉をかけられると、感情が溢れそうになる。
「君は今、兵士ではない。大切な人を失い、自身も大怪我を負った一人の少女だ。心の傷を解放しないといけないときもある。今は無理をするときじゃない」
熱いものが私の頬を濡らした。
只、団長は間違っている。
私は兵士だ。
いつ、どんなときも。
嗚咽が漏れないように
「・・・大丈夫です」
と伝えた。
そうか、と考え込むように彼が呟いた。
暫くすると
「君はまた壁外に出るつもりがあるかい?」
と、問われた。
私の答えは決まっている。
「勿論です。班長たちの意志は私が受け取ったんですから」
「よかった。気が早いようだが、君には先に伝えておくよ」
「・・・・??」
「執行日はまだ未定だが・・・次回の壁外調査から君をリヴァイ班に配属する」
「えっ!?」