第5章 ♯4
しかし
本当のところ人類なんてどうだっていい。
の生活がこの巨人によって脅かされることがあるのなら、俺がこいつらを絶滅させる。
他でもない、俺が。
という訓練兵は100年に一人の逸材だと。
冷静な頭で的確な状況判断が出来、身体のバランスも芳しいと。
同じ名前の人間なんざいくらでもいる。
俺が盗み見していたお前と、訓練兵は別人だ。
だってそうだろ?
あいつはいつもにこにこ笑っていた。
兵士なんてガラじゃねぇ。
落ち着きがなく走り回っていたあいつに冷静な頭なんかあるわけない。
・・・・なんであいつがあそこにいる?
あそこにいる奴等は
調査兵団志願者だろう?
お前に外の景色は見せたくない。
人間がぐちゃぐちゃになって死んでいく様をお前には見せたくない。