第5章 ♯4
最初はお前と同じ景色が見たくて地上に来たんだったな・・・。
だがどうしてもあいつに壁外調査は行かせられない。
じっとそちらを見るも、遠すぎてあいつの表情は読めない。
俺を、覚えているか?
「おい。エルヴィン」
「どうした?リヴァイ」
「新兵の・・・アリネ・セリヌーンだが・・・」
「あぁ。アリネか。可愛い子だろう。しかもぶっちぎりの首席卒業だ。調査兵団に華が咲くな」
エルヴィンの口が彼女の名前を呼ぶだけで苛ついた。
「そんなことはどうでもいい。あいつを憲兵団にしてくれ」
「どうした?リヴァイ。私にそんな権限がないことは解っているだろう。彼女は調査兵団を志願した。あの素晴らしい敬礼が見えなかったのか?」
「いや、そうじゃない・・・」