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糖分過剰摂取症候群【銀魂】

第26章 告


僕と神楽ちゃんが引き戸を開けると。
銀さんは口に人差し指を添えて。
「シー」
声を出さずに、僕らに促す。
ソファーの端に座ったまま、銀さんは新聞を読んでいて。
口元の合図を解いてから。
膝の上を。
優しい手つきで撫でた。
乱雑に脱ぎ捨てたような着物の下に。
黒い髪が見えて。
そこに、朱里さんがいると悟る。

って、膝枕してるんかいィィィ!

ただ、あまりにも。
目を細めた銀さんの、表情が穏やかだから。
ツッコミなんて、無用だと。
思わざるを得ない。
前に、朱里さんの開きすぎた胸元を、銀さんが正したとき。
僕は、銀さんと朱里さんを親子のようだと言ったけど。

今の二人は、あのときと違う。

二日前にあった空気は。
完全に換気されていて。
『銀さん次第』が、凄く好い方向に働いて。
きっと、こういう結果になったのかな。

いや、待てよ?

見えるだけで、実際はどうなんだろう。
銀さんが女のコに『膝枕』っていうのが。
錯覚を起こしているだけなんじゃ……。

「説明してください」

潔白なら、言えるはずだ。
膝枕に至るまでの経緯を。
膝枕の時点で。
潔白って何なのか、よく解らないけど。

「説明?何を?」

えーと、雰囲気?
朱里さんに膝枕して頭を撫でた、アンタの優しい手つきとか。

こっちが照れ臭い、この空気とか。


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