• テキストサイズ

糖分過剰摂取症候群【銀魂】

第24章 呼


「足りねェ」

もっとと促す俺に。
髪、額、頬、鼻。
軽く口付けながら。
朱里ちゃんは、何度も俺を呼ぶ。

「銀さん」

こんな色した部屋に、酷く不釣り合いな戯れ。
俺、今、ヤバい。
朱里ちゃんに甘やかされてる。

「銀さん」

「はい」

「坂田さん」

「………」

「銀、ちゃん」

「ん?」

「銀さん」

「はい」

名を呼びながら、朱里ちゃんはクスクスと笑ったまま。
俺の髪を撫でては、頬擦りを繰り返してる。

「甘くて、フワフワ」

そう呟いたが最後、動きを止めて。
苦しいほどに、俺の頭を抱き締めた。

「……ココが、帰ってくる場所」

「うん」

「待ってて、くれますか?」

「ココ、特等席だろ?ちゃんと空けとくし。待つのは十八番になっちまったから……そんな心配しなくても浮気しないし、朱里ちゃんだけだし」

『待ってる』と付け加えて、絡めた腕に力を込める。
スベスベの肌。
今日の午後から、触れられない。

「ありがとう、銀さん」

視線が合って、軽く唇が触れ合って。
不安げな表情が消え去った朱里ちゃん。

「もう、怖くない」

そう言って、身体を起こした。

「ちょ、前を隠しなさい、女のコなんだから。もうちょっと遠慮して、マジで」

無防備にも程があるって。
何度言い聞かせても、変わんねェ。
それが自分の惚れた女だって。
わかっちゃいるけど。

もう、彼氏というよりお父さんの心境だろ、コレ。

/ 249ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp