• テキストサイズ

糖分過剰摂取症候群【銀魂】

第24章 呼


帰り支度をして、部屋を出る。
忘れ物はないかと声を掛けて。
ピンクの照明に慣れた目を、日光の元に晒す。
あと半刻もすれば、正午。
約束の時間が近い。





あのあと、一度だけ抱いた。

欲しがったのは、俺の方。
前を隠せと注意しといて。
我慢できなかったのは、俺の方。
優しくしてやれたか、正直、自信がない。
ただ、その行為を終わらせたくなくて。
必要以上に、時間を掛けた。

「辛ェか?」

俺の問い掛けに、肩に預けた頭を数回振って。

「ううん、平気です」

そう言って、笑う。
そういう気丈なとこも、気に入ってんだけど。
ちょっと無理させた感が残る。
軽い絶頂、何度も与えて。
最後は散々焦らして、意識飛ばした。

「家まで、おんぶしてやろーか?」

朱里ちゃん、腰が怠くね?
イヤ、俺のせいだけど。

「歩けます」

「何、恥ずかしい?」

「一緒に、歩きたいの」

組んだ腕を解いて、手を繋ぐ。
昨夜と違う景色に見える、ホテル街を。
指を絡ませて、歩き出す。

「私が走れなくなったら」

小さく呟いた声に。

「俺が背負って走りゃいんじゃね?」

銀さん、おっさんだけど。
惚れた女を置いてきぼりになんて、しねェよ?
時々振り向いて、後方確認。
してやるから、心配いらねーし。
追い越したら、待っててくれれば追い付くし。

道が一本なんて、決まりはねェから。

別の道に迷い込んでも、次の交差点で。

銀さん、ちゃんと待ってるよ?

/ 249ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp