第4章 オペ
神那のオペ当日。
オペ室はおろか、院内の空気が殺伐としていた。
「神那ちゃん、頑張ってね」
ひょこっと顔を覗かせた神崎。
「当然」
院内は敵だらけだが、今日は違う。
オペ室に入れば敵は必然的に味方へと変わる。
それだけ成功させなければならないオペなのだ。
その重圧は重い。
「じゃあ娘を頼んだぞ、霜月くん。
分かっているだろうが、失敗は許されない。
本当に大丈夫なんだろうね、こんな小娘に大事な娘を」
「大丈夫ですよ、院長。
霜月の実力は折り紙つきです」
青島が咄嗟にフォローを入れる。
「ふんっ…失敗なんぞしよったら、ただじゃおかんぞ。
この病院に居れなくなるどころか、医師免許剥奪も考えた方が良い」
「くだらない…。
そんなこと言う為に時間を取ってるなら、私は行くから」
「くっ、くだらないとはなんだね!」
顔を紅潮させ、激怒する。