第3章 天才と秀才
「神崎でもそういう顔するんだね」
「ん?するよ。
僕だって人間だもの。
神那ちゃんとか青島さんの前でしかしたことないけどね」
「私がここを選んだ理由、それはこの病院で家族を失ったから」
「!ちょっと、そんな話僕なんかにして良いの?」
「したくなかったら言わない」
「確かにね」
「私が許せない言葉。
奇跡、神の手、もしも。
これ使ったら例え神崎でも怒るから」
「分かってるよ。
それは僕も嫌いな言葉なの。
良かった、神那ちゃんと観点が合って。
それじゃあ僕お昼休憩そろそろ終わるから行くね。
楽しかった、ありがと」
ニコッと微笑み、屋上を去っていく。