第2章 機械の実力
「………名前、何?」
「あらら、自己紹介したばかりなのに忘れられちゃったか」
「良いから早く」
互いに口調や雰囲気が穏やかになった。
「脳神経外科の神崎純だよ、歳は…」
「そこまで聞いてない」
「はいはい、君は?」
「胸腹部外科医、霜月神那。
一応救命所属」
「ん………?霜月?」
「何?」
「ひょっとして外科の機械?」
「……………周りは私のことをそう呼んでる」
「どうして?
正確な処置をするからとかかな?」
「常に無表情、無感情で動いているから」
「…そうかなぁ?
少なくとも僕にはちゃんと感情や表情があるように見えるけどね。
一応救命っていうのはどうして?」
「ほとんど肩書きだけだから。
主な仕事はデスクワーク」
「え、どうして⁉︎
あんなに凄い技術持ってるのに…勿体ない」
「上が私を好いてないから」
「なるほどねぇ」