第3章 まさかの手合わせ

勝負が始まった。

お互い、隙を伺って動かない。

…やっぱり、隙がまったくない！


夢主（妹）は責めあぐねていた。

その様子を沖田は楽しげに見ているだけだ。


くっそぉぉぉ。どうする？


夢主（妹）の顔が険しくなった途端、 沖田が動いた。

すばやく竹刀を振り上げ夢主（妹）の頭上めがけて切り込む。

「…！」

夢主（妹）は咄嗟に除けながら、沖田の竹刀を思いっきり叩き、その軌道を変えた。

頭上でまともに受けることは避けたかったのだ。

勢いを削がれ、沖田は体勢を崩したが、ひるむことなくそのまま夢主（妹）の足元めがけて突きを放った。

夢主（妹）は横に飛んでそれを避け、沖田の背後まで転がる。

そのまま身体を回転させ沖田の胴へ打ち込んだが、それは打ち返された。

「くっ…！」

打ち返された腕が痺れる。

…やっぱりすごい力。

でも、やるしかない。


打ち返した竹刀の構えが戻らないうちに、夢主（妹）はその手をめがけて飛び出した。

沖田はそのすばやさに目を見開く。

が、すぐに体勢を立て直し、その打撃を受けた。

そのままつばぜり合いになる。

しまった…これだけは避けたかったのに…！

夢主（妹）が懸念していた通り、 沖田の力にじりじりと押されていく。

ドン！！！

沖田は一気に力を込め、夢主（妹）を突き離した。

夢主（妹）は、勢いよく後ろに飛ばされ、尻餅をつく。