第2章 不安と殺気と事情聴取
藤堂ははっとした。自分がうかつな発言をしようとした事に気づいたようだ。
「…対峙していたのは私だけで、こっちの二人が何も見ていないのは本当です。結論が出るまで、部屋に戻らせてください。」
斎藤や山南も夢主(妹)の意見に同意を示し、一度部屋へ戻ることとなった。
藤堂は、夢主(妹)の顔をうかがうように見て、もごもごと何事かつぶやいた。
「悪かった。助かったよ。」
夢主(妹)は藤堂を見返すと、にっと笑って返した。
この人は悪い人じゃなさそうだな…。
そうして三人は部屋に戻された。