第7章 1864年ー元治元年ー【後期】
夕餉の片付けを終えて、夢主(妹)ちゃんと一緒に部屋へ戻る。
「千鶴?なんだか元気ないけどどうしたの?」
夢主(妹)ちゃんは私の顔を心配そうに覗きこんできた。
「ううん。なにもないよ。」
何に対して落ち込んでいるのかわからない。
夢主(妹)ちゃんにどう話していいのかもわからない。
「千鶴ちゃん、夢主(妹)」
部屋の外から夢主(姉)ちゃんの声がして、襖がすっと開かれた。
「おかえり~」
いつものように夢主(妹)ちゃんは夢主(姉)ちゃんに笑顔を向ける。
「おかえりなさい」
私は夢主(姉)ちゃんの目が見れなかった。
そんな私の目の前に来た夢主(姉)ちゃんは、いつものように笑顔で…
「千鶴ちゃん、昼間はごめんね?これ、お詫び。あのお店のお団子おいしいんだよ。」
その言葉に、はっとして、夢主(姉)ちゃんの顔を見れば、少しだけ悲しそうな…それでいて優しい目をしてにこりと微笑んでる。
「っ!夢主(姉)ちゃんごめんね。私…」
夢主(姉)ちゃんは、涙があふれてきた私をそっと抱きしめてくれて、背中をさすってくれた。
「え?何?なにかあったの?」
驚いてる夢主(妹)ちゃんに「べつに~」と軽く返した夢主(姉)ちゃんは、私の背をぽんぽんと軽く叩いてから体を離した。
お団子の包みをあけながら、
「巡察中の千鶴ちゃんと遭遇しちゃっただけ。」
「ああ…なるほど!それで千鶴は元気なかったのかぁ」