第5章 拘束
まさかプロポーズが牢屋だとは。
「…こんな薄汚れた王女に、
牢屋の中でプロポーズなんて…」
「それでもあなたが好きだ」
「意味わかんない」
「姫」
「…女に振られて、許婚で妥協?
こいつでいっか、的な?」
「違う」
「馬鹿にしないでよ!」
湿った岩牢にこだまする私の声。
「帰って」
「姫」
「顔も見たくない」
「姫…」
「帰って!!」
柵の隙間から伸ばされた手を払い、
顔を伏せる。
「一日でも早く牢から出られるよう
私も努力致します。
それまで、考えていてほしい。
このまま敵国の王子を慕い続けるか
私と早く幸せになるか。
失礼致します」
ハビル様の香りが遠のいていく。
答えなんて出せるわけがない。
なのにあえて聞く彼は意地悪だ。
「…決めれるかよ馬鹿!」