第4章 4【MOMIKEN SIDE】
待ち合わせしていたスタジオに着くと、既にメンバーが揃っていた。
揃ってなぜかニヤニヤしている。
「え、なに?その顔」
「いや、まだ気付いてないの?」
「は?何の事?」
昨日のことは誰も知らない筈だ、と思いつつ、笑いながらなんとなく嫌な予感がする。
「メールは慎重にしなよ」
UZが少し呆れたように携帯を見せてくる。
どうやらさっきのさん宛てのメールを、間違ってUZに送っていたらしい。
あまりにも間抜けなミスに、俺は自分自身に呆れた。
「マジか…………、いや、これは、恥ずかしい、ね、俺…」
「さんってどんな子なの?さん付けってことは歳上とかだったり?いつから?」
IKEは楽しそうに肩を組んでこちらを見てくる。
意外とこういう話が好きなんだよなあ。
「まあまあ、MOMIKENにだって色々あるでしょ」
KENTAが割って入って助け舟を出してくれるものの、UZの「じゃー、まだヤッてないんだ」という言葉で台無しになる。
「確かに、この文面じゃまだ手も繋いでないかもね」
「ちゅーはした」
「えーっ!!ちゅーはしたのかよ!!」
「MOMIKENそういうとこあるよね、なんかしれっと、さぁ」
「でもまだヤッてない、だろ、笑」
「そーだよ、ヤッてねえよ、昨日の話だもん、全部」
しつこいので昨日の出来事を軽く聞かせると、全員が「なんでそのままヤらなかったの」と言うので、これだから男は、と思う。
「俺だったら、もうそれ良い感じじゃんってかんじでさいごまでいくけどなあ、だって相手も大人でしょ、イイじゃん」
「あのなあ…、結構真面目にいきたいのよ、俺」
UZは「ヤッてからでも真面目に付き合えるじゃん」と笑う。
まあそういうのは人それぞれだろうけど、俺はもっと手順を踏みたいんだ、それが情緒ってモンだろ?