第4章 4【MOMIKEN SIDE】
二本目を開けたところで携帯のバイブレーションが鳴った。
思わず飛び付くように手に取り、その表示を見て、興奮する。
ベッドにダイブして、内容を確認する。
さんからの、今日のお礼だった。
「あーーー、マジ、嬉しい…」
ゴロゴロしながら携帯を抱きしめて、感動を味わっていた。
「さん、やっぱめちゃくちゃ可愛いな…」
しかし返信しようと思っても、なんとなく書くことが思いつかない。
言葉で書くと全部嘘くさく思えて、どうもしっくりこなかった。
震える指先で、電話してもいいか尋ねて、返事を待った。
そして俺は、いつの間にか、そのまま眠っていたらしい。
アラーム音で目覚めると、携帯には着信が一件と、メールも一件。
どちらもさんからだった。
軽い二日酔いの身体に水を流し込み、顔を洗う。
さんへの返信内容を考えながら準備しているとあっという間に時間が過ぎていた。
『さん
昨日はごめんなさい
俺から電話したいって言ったのに
気付いたら寝てました…
さん、今度いつなら予定空いてるかな?
良かったら教えてください』
こんな感じ、で良いだろうか。
シンプルなのが一番だろう、そう思って、送信ボタンを押した。
髪を整え、服を着て、指輪をはめていく。
こういうファッション、彼女、好きなのかな。
彼女はどちらかといえばきれいめなファッションだ。
まあ、兎にも角にも清潔感が第一だよな、と、鏡を覗き込み、いつどこで彼女に会っても良いように気合いを入れた。