【ナカノヒトゲノム】審神者はゲーム実況者でした【実況中】
第3章 GAME01
ザアァァ
『……………ん、んぅ………』
ここ………、どこ………?
ちょ、ちょっと待て。まずは状況整理だ。
昨日、“ナカノヒトゲノム”をクリアして、隠しステージ見つけて、それで…………、寝た。
『…………もしかして、あの“お迎えにあがります”って、この事…………?』
ガサガサ
『誰!?』
後ろの草むらから音が聞こえたので、私はすぐさま警戒した。
「おっと、俺は敵じゃない。アンタと同じく、気付いたらここに居た者だぜェ」
『…………………』
見たところ、この男に警戒心の欠片もない。
“敵ではない”というのは、本当の事だろう。
でも………、血の匂いがする……。
『貴方、さっき其の辺でも狩りとかしたんですか?血の匂いがします』
「へぇ…………、わかるのか」
そりゃあ、毎日……ではないけど、血はいっぱい見てきたからね。
………流石に、言えないけど。
『まぁ、なんとなく……』
と言って、通じるかわからないけど……。
「……………そうか。それよりアンタ、名前は?」
『…………こういうのは、自分から名乗るのが礼儀じゃないですか?』
敵ではないとしても、いつでも動けるようにしなくちゃね。
何があってもいいようにね。
「…………フッ)そうだな。俺ァ、“鬼ヶ崎カイコク”。よろしくな」
『……私は藤咲シオン。よろしくお願いします』
…………っていっても、ここどこよ。
自己紹介しても何も起きないし、鬼ヶ崎さんが何か知ってるとも思えないし。
「………一応聞くけど、ここどこか知ってるか?」
『知ってるわけないじゃないですか。早く帰りたいですよ』
ホント、本丸の皆の様子が気になる。
いきなり私がいなくなって、パニックになってなきゃいいけど……。
――そんな時、大きな物音……………、いや、“足音”が聞こえた。
バキバキ!!
ズオオオ!!
ズン!!
『何!!?』
今の、あのパンダの“足音”!?
…………てか、でかすぎでしょ!!?
タッ
『ちょ、どこに行くんですか!?』
「ちょっと行ってみる。藤咲ちゃんはここで待ってろ!!」
『はいぃ!!?』