第5章 懐疑心は忠誠心 短気は損気

「時に由里。
　そろそろ貴様の番ではないか？　このとおり、俺の家臣は精鋭で、信頼できる者ばかりだ。
　……文句あるまいな？　貴様の知っていることを吐けるだけ吐け」

豊臣秀吉。
石田三成。
徳川家康。
伊達政宗。
明智光秀。

そして、織田信長。

これだけ現代で有名な武将が揃って、その一番上である信長がそういうのだから、間違いはない。
有無を言わさずという鋭い眼光を向けて、信長は由里の答えを待っていた。


「わかった、わかりましたよ、信長、様。
　まあ私が怪しい者じゃないって言っても、それこそ信用できないだろうけど、これだけは知ってる」

なんだ。
信長の目がそう言って。
他の皆も、固唾を飲んで見守っていた。

「織田信長。貴方を殺そうとした犯人を」