【イケメン戦国】*ヒメゴト* 戦国時代に舞い降りた現代の姫
第4章 夜駆ける
政宗はというと。
由里の寝姿を見て、関心していた。
そして興味すら沸いてきていたのである。
少数精鋭……というより秀吉と二人で、辺りを探していたところで、たいまつを持った女がみつかった。
荷物1つだけ持って信長から逃げたというから、政宗はその時点で興味が沸いていたのだが、そのいでたちにも恐れ入った、とばかりに苦笑し、そして挑戦的な笑みを浮かべていた。
(面白い)
南蛮の装いなのだろうか?
腕と足の布がないに等しいのだ。
女は着物姿と決まっているこの国の恰好ではないことは確かである。
はだけているわけではないのだが……おまけに胸のあたりも強調された作りになっていて、少し身じろぎすればそのふくよかな胸が、露わになってしまうのではないかと思ってしまう。
その露出度の高い恰好と艶やかな肌に、めまいがしそうになった。
それを隠すように、由里の肩を強く抱く、政宗だった。
「俺としたことがね」
「ん? 何か言ったか、政宗」
「いや? 由里の処遇はどうなるかと思ってね」
「それは、信長様がお決めになる。
信長様を助けたとはいえ……不信な点が多すぎるのも事実だ。間者の線も否めん」
「……そうだな」
含みのある返し方をする政宗に、秀吉は顔をしかめた。
「言っておくが、手出しはするなよ? 一応信長様の気に入りだからな」
「俺が? この小娘に?」
政宗はまさか、と言わんばかりに笑った。
「小娘ね……どの口が言う」
実際秀吉は、政宗が女性を見ては口説いているのを良く見知っていた。
自分の領地はもちろん、城下町、進軍した敵地など……。
だが、由里に手を出すのはわけが違うだろう。身分はどうあれ、信長が気に入っている。
いくら協力関係とはいえ、信長の女に手を出せば、その協力関係も崩れ去り、さらにこの戦乱の世を混乱させる可能性もある。
「……ん…………」