第2章 始まりはいつも貴方の隣から
「こいつバグだ!額のペンタクルに呪われてやがる!!千年伯爵の仲間(カモ)だー!!!!!」
泣きながらも叫ぶ門番の声に真っ青な顔のお兄ちゃんと2人顔を見合わせる。
すると門の上に長髪の、お兄ちゃんより少し年上くらいの青年がこちらを見下ろしているのが見えた。
凄まじい殺気を放ち、鋭い目つきで私達を見下ろしたかと思えば口を開く。
「1匹で、しかも人間の餓鬼連れて来るとはいい度胸じゃねぇか」
「ちょっ、ちょっと待って!!なにか誤解されて…」
お兄ちゃんは言い終わらないうちに私の背を押しその場から離す。
押し出された為にバランスを崩したが慌てて後ろを振り返れば門の上にいたはずの人は日本刀のような物でお兄ちゃんに斬りかかっていた。
その攻撃をイノセンスを発動させた左腕で受け止めていたが、大きく損傷している。
お互いに驚いた顔をしている中、先に口を開いたのは向こう。
「お前…その腕はなんだ?」
「対アクマ武器ですよ。僕はエクソシストです。」
「なに?…門番!!」
睨みつけるようにしながら尋ねられ、お兄ちゃんは警戒しつつも答えると長髪の人は勢い良く門番の方を睨みどういう事かと問いただす。
「いあっ、でもよ!中身が分かんねぇんじゃしょうがねェじゃん!アクマだったらどーすんの!?」
半泣きで答えた門番にお兄ちゃんも半泣きで訴えるがそんなことはお構い無しと言わんばかりに長髪の彼は再び刀を構え切りかかる。