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ーイケメン戦国ー* 気まぐれ作品集 *

第2章 おめでとうをあなたに…



刻は昼過ぎ。
キラキラと太陽が照らす中



自室で昼餉を食べ終えた私は
少し肌寒さを感じる風に撫でられながら
縁側に腰を掛け、物思いにふけっていた。






最近、暇があるとついつい考えてしまうことがあった。






それは…






長い道のりの末、ようやく結ばれて恋仲になった光秀さんのことである。






本当に今思い出すと…色々あったなあ―――…






思わず苦笑を1つ零す。






そして







雲一つない青く大きな空を見上げ、愛しい光秀の顔を思い出し頬を緩ませた。






「まさか、あの光秀さんと恋人になるなんて。ふふっ、ほんと夢にも思わなかったなあ」






第一印象は意地悪で…
何を考えているかわからない怖い人。





でもいつの間にか光秀さんの奥底にある
優しさや魅力に惹かれて、大好きになって…。








今では光秀さんがいない人生なんて








――――――考えられない。








そんな風に思うほど
私の中で光秀さんの存在が大きくなっていた。








なのに…







「光秀さんのこと、まだ全然知らない―…」





我ながら情けないと思ってしまうほど
弱々しい声で呟いてしまった。





恋仲になって日が浅い上に、
光秀さんはお城をよく空ける…




だから、ゆっくりお話しができたことなどなかったのだった。






光秀さんの誕生日、血液型、好きな物、嫌いな物…。あと…出会う前の話とかも。





考えるだけで胸がチクリと痛み、
自嘲的な笑みが零れる。








せめて誕生日だけでも…知りたいな。





今日の夜にでも聞いてみようか。
…でも、光秀さんだし教えてくれるかわからない。








う~んっ――――…






よく光秀さんに言われる小さな頭で
ひたすら考えてみたけれども
やっぱり答えは出なくて…






ただただ、時間だけが過ぎた。







「…だめだっ!うじうじ考えていても、
何も始まらないっ!物は試し!聞いてみよう!」







決心した私は張り切って部屋を出る。







そして今日しなくてはいけない針子の仕事を済ませた後、いつものように光秀さんの御殿へと向かったのだった。







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