第3章 反対言葉
~DIO~
癒芽は何処に行ったのだ…
このDIOを差し置いて出掛けるなど許さぬぞ…
一人は退屈なのだ…
この様な感情を抱くのも癒芽が私の前に表れた頃からだな…
こんなにも…
たかが人間を愛しいと思うなど…
馬鹿げている…
深い溜め息を吐き、椅子から立ち上がる。
癒芽から渡された本でも読むとするか…
…本を…何処に置いたのだ…?
見ていなかったから解らぬな…
さては…
癒芽が自室に持ち帰ったのか…?
部屋を出ようとすると勢いよく扉が開き、額にぶつかる。
「WRYYY!?」
「きゃぁあ!?」
「申し訳有りま…クスクス…せん、DIO様…クスッ」
笑いを堪えているつもりなのだろうが、もろに笑い声が聞こえてくる。
額を擦りながら癒芽の胸元に居る小さな犬に気が付く。
「何だ、コイツは?」
そう問うと、怯えた様に上目使いで見詰めてきた。
クソ…
可愛いな…ッ
ぎゅうぎゅうと不安そうに犬を抱き締める癒芽を見て、そんな言葉が思い浮かぶ。
綺麗な髪を撫で、優しく呟く。
「大丈夫だ、その犬を殺す事は無い」
少し安心したのか安堵の息が漏れる。
言葉を詰まらせながら気不味そうに服の裾を握られた。
奇声を上げかけるが、我慢して抑え込む。
何なんだ…
この異常なまでの可愛さは…
堪らなく愛しいぞ…
「えっと…、ですね……」
俯きながら呟く。
「この…犬を飼いたいのですが…」