第6章 心言葉
「癒芽、もう準備は出来たのか?
…私は後少しで此処を出る、例え…私が居なくなってしまっても貴様は生きろ」
準備。
それはDIO様と戦場へ向かうものでは無く、私の気持ちを無視しDIO様の意図で迫り来る【敵】と言う名の人物から逃げる事。
何故、私だけを逃がすのだろうか…そんなの可笑しいに決まっているのに。
「……はい」
その一言しか私は返事を返さなかった。
いや、返せなかったと表す方が正しいのかな…だって、私は一人で逃げる気も無いから。
絶対に私は貴方の意図に逆らうわ、…それが私からの復讐と感じられても。
「DIO様、待って下さい
…少し、私情の御話しを持ち出しても宜しいでしょうか?」
ドアノブに手を掛けていたが離し、私の方へと困ったかの様に微笑む。
どうしてなの…、どうして、貴方は自分を犠牲にしてまで私を庇おうとするの。
そんなの…私が可笑しくなってしまうじゃあない。
「どうした?」
「私、DIO様の事が…好きですよ?
でも…好きだけれど、嫌いです。 兄を、唯一の大切な人を殺した貴方が憎い。 それなのに、嫌っている事を知りながら私を側に置いた貴方に惹かれてしまって…何時の間にか愛してた
同じ者として。 違う運命の者として。」