第4章 愛言葉
「すみません…、私、混乱してしまって…取り乱してしまいました、すみません」
寝ていた間に怪我も服も髪も全て綺麗に整えられ、窓ガラスも何ごとも無かったかの様に直されていた。
「時には取り乱す事もあるだろう…なぁ、癒芽」
真剣な眼差しで見詰めてくるDIO様を見て息を飲み、小さな声で返事をする。
「はい、どうしましたか…?」
「私の事、どう思っているのだ? 別に無理に良い返事を言わなくても良いんだ…本当の事を私に教えて欲しい、ただそれだけ…の事だ」
悪い返事を返しても良いと言う事なのか…しかし、もし悪い返事をしてしまったら?
この関係が壊れてしまったら? 悪い返事なんて出来る筈がないじゃあないか…何回、こんな事を思うのだろう。
多分、この人が消えるまで、私が消えるまで、この問い掛けは一生から回っていく。
「…好きですよ、優しいDIO様が」
それだけを言って微笑む私は嘘付きだ、優しいDIO様が好き…優しい時だけのDIO様が好きと言う事だろう、嫌だな。
でも、それが唯一の関係を壊さない方法、嘘の言葉が愛言葉で、愛言葉が嘘で。
色々な感情が交差するのが気持ちが悪いし気分が良い、何故だろうか。
「そうか……」