第4章 愛言葉
「クゥウン…」
その鳴き声で身体が跳ねる。
シャン…ごめんね、今は貴方に構えないのよ…だってこんな雰囲気の中でなんて気不味いわ。
しかしシャンの鳴き声は構って欲しいものではなく、何処かで私達を心配そうにする…悲しそうな鳴き声だと感じた。
犬にまでそんな思いをさせるなんて、本当に情けないわね…ちゃんとポーカーフェイスをしなくちゃあ駄目なのに。
「DIO様…、もう今日は御眠り下さいませ」
「待て…癒芽、少しだけ私の話をー……」
「勘違いをしないで下さいね、私は貴方を好いている訳ではないのです、何時…何処で私が貴方に何をするのか解りもしないし、貴方が何時…何処で私に何をするのかも解らない」
「でも、今だけでも私は貴方の隣に居ますよ、同じ境遇で、同じ運命の貴方とは離れられないですし」
「その事を解っているでしょう…、甘えないで下さいよ、現実を直視して下さい」
それだけを言い放ち、私はDIO様に一礼する。
「では、私はこれにて失礼させて頂きます…」
部屋を出るさいに見た今まで見た事も無い顔が私の心を締め付けるのは気のせいだろうか。
苦しく、ほろ苦い、そんな気持ちが私の心の中を渦巻いてしまう。
私達の距離感がよく解らないのよー……