第3章 反対言葉
「よしよし…」
気を紛れさせようと優しく犬の頭を撫でる。
その撫でる手を拒絶されるかの様にバチバチと何らかの電流と思われるモノが巡った。
「痛…っ!?」
驚いて犬を押し退けてしまう。
何…!?
先程のは…電流…!?
どうして…こんな犬が電流を流せるの…!?
手を横目で見てみると、白色の肌から焦げ臭い匂いが漂う茶色の肌に変化していた。
水蒸気が未だに手を取り巻いている。
不自然だわ……
もしも、もしもよ?
人体発火現象と同じ原理で電流が手に流れるとする。
しかし…それは一時的な現象で時間は個人差だが何も成らない筈なの。
何も成らないと言うのは、発火しても火傷を負わない…と言う事になる。
それなのに今はどう?
私の手は火傷を負って肌が変色しているじゃあない。
この犬…
もしかして、もしかするかも知れないわ。
「……DIO様、起きて下さい」
「DIO様」
名前を連呼し、DIO様を起こそうとする。
手を動かせないなんて不便ね…
最悪だわ…
「DIO様っ!!」
「いい加減、起きて下さいませっ!!」
苛立ちで声を荒らげる。
DIO様は何時も直ぐに起きて下さるのに…いや、部屋に入って来ただけで目が覚める程の神経質なのに何故なの?
こんなにも寝ているなんて、其程までに緊張感が無いと言う事なのかしら。