第1章 出会い。
朝からあたしも、オカンもオトンも落ち着きなかった
いつも通りに見せかけてるつもり
それでも、家族やからかわかる。
引っ越し業者が来て、あたしのベッドとか洋服を積み込んだ
あたしは、引っ越し先のアパートに向かおうと家を出ようとした
オカン「あん。ちょっと待って。」
『んー?』
オトン「荷解き大変やろ?行ったるから」
『え?』
オトンは、車のカギを持って車を開けた
オトン「乗りや」
あたしは、静かに乗った
オカンも車に乗り込み
発車させた
車でも1時間程の距離
高層ビルが立ち並ぶ街から一駅離れたとこ
そこから、歩いて15分
ここが、あたしの新しい生きる場所
ちょっとして、業者が荷物を運びこんでくれて
家族揃って荷解き
途中何も言わんとオトンが出かけた
しばらくして戻って来た手には、荷物でパンパンの袋
食糧とか生活用品・・・
ほんで、3人分のご飯
オトン「腹減ったし、飯にしよかー」
その一言で、ちっさいテーブルに家族3人集まって弁当を食べた
ご飯食べて、また荷解き
夕方-
オトン「そろそろ帰るわ。明日、仕事やしな」
オカン「そうやねー。帰ろかー。」
『ありがとう。助かったわ。』
オトン「負けんなよ。社会に」
そう言い残して帰って行った
お互い素直じゃない。
そんなんわかってる。
あたしは、窓からそっと見送り残りの段ボールの片づけを始めた
片づけてたら、見覚えのない段ボールがあった
開けてみたら、オトンとオカンが入れたモノやろう
家族写真とか、オカンの手作りの人形とか
あたしの大好きなお菓子とか入ってた
箱の底には、現金と手紙も
早速、泣いてもた。
ありがとう。オカン。オトン。
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