第13章 堪んねェ...イイ身体
「ひゃっ、何するんですか!?」
「うるせ、黙ってろ」
膝の裏に手を回すと、ヒョイっと軽々持ち上げた会長。
いわゆるお姫様抱っこだ。
不安定な体勢から、思わず会長の首に腕を回してしがみつく。
そのまま会長は何歩か歩くと、ふかふかした所に下ろした。
「ベッド…?」
「俺の昼寝用だ。
オープン前には退かす予定なんだよ」
「そうなんですか」
「呑気に聞いてて良いんだ?美織チャン。
これから自分がナニされるか分かってんの?」
「え…?」
「ま、いーや。
とりあえずいただきます」
「会長…?」
逃げようにも手を頭の所で固定され、上に乗られているのだから逃げられない。
もがいてもビクともしない。
会長の顔が近づいて来る。
「また、耳でも……!?」
また耳でも触るんですか。
そう言いたかったのに、唇を塞がれ、続きを紡ぐことは出来なかった。
すぐ目の前には会長の顔。
唇には暖かく柔らかい感触。
「え……?」
そしてすぐ離れる会長の身体と温もり。
「何ボーッとしてんの?
もしかして、初めてだったか?
キス」
「!?!?」
キス!?