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【R18】狼彼氏(仮)

第8章 雨と幸運


「じゃあ…お世話になります」


「お世話って…大袈裟だね」


クスクスと上品に笑う。


「どうかしました?ボーッとして」


「い、いえ!」


見惚れてたなんて口が裂けても言えない!


「とりあえず行きましょうか」


「はい」


左側に立ち、腰に手を回してくれる。


「濡れると大変なんで、今は我慢してください」


「我慢だなんてそんな!」


むしろ得!


「そういえば、どうして傘なんて持ってたんです?

用意が良いですね」


「まぁ。

天気予報で雨だと言ってましたし、空もどんよりしてましたし、何より僕自身が偏頭痛持ちなので」


「あ、はぁ…」


自分の情報収集能力に嫌気が指す。








「家ここです」


「結構近いんですね」


「図書館からはそうですね。

学校となると少しだけ遠いです」


「あ、そうか。

あ…す、すみません」


「いえ、大丈夫ですよ。

そんなに堅くならなくても」
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