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【R18】狼彼氏(仮)

第8章 雨と幸運


図書館まであと数100メートルまで迫った時。


ゴロゴロ…。


「!」


雷のような音が轟いた。


「嘘でしょ…?」


雷の音ばかり警戒していたら、いきなり頬に水滴が触れ、肩が大きく跳ねた。


「ひゃ…」


雨まで降って来た⁉︎


図書館なんて目と鼻の先なのに。


徐々に近づいて来る雷、降り出した雨。







すると不意に雨が止んだ。


私のところだけ。


不思議に思い、上を見上げる。


「大丈夫ですか?」


黒色の傘を差した烈さんが、私をその中に入れてくれていた。


「あ、ありがとうございます」


「服濡れちゃってるね」


ジッと見つめられて、今日の服装が変じゃないか急に不安になる。


「うちこの近くですけど、寄って行きます?

髪とか服乾かさないと風邪ひくし、どのみちこの雨じゃ帰れないでしょう」


…確かに。


「でも…迷惑じゃないですか?」


「迷惑だったら誘いませんよ」


と、優しく微笑む。
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