第2章 承
うそでしょ……。
2ヶ月ぶりのデートなのに、二人が付き合いだした思い出の夏祭りなのに。
ずっとずっと、今日を楽しみにしてたのに!
忙しい充くんは今日のために一泊の予定で帰ってくるから、明日に延期された花火は見れない……。
「ぐすっ……んっ……」
泣いてちゃだめだ。
充くんがびっくりしちゃう。
久しぶりなのに、とびきりの笑顔で会うんだって決めてたんだから。
頭に冷たいものが落ちて、夜店の店員さんは倍のピッチで動きだす。
苦労してセットした髪も崩れちゃう。
浮かれてた私はもちろん、傘なんて持ってない。