第4章 はじめての気持ちとありがとう
(…スク優しいなぁ…)
昨日の任務からちょっと私はおかしい。
スクの笑顔を見ると、胸が苦しくなる。ギュッとつかまれたみたいな感じ。
今日だって、一緒に歩いてるだけでなんか…うん…言葉にできないけど…
(あー…私らしくない…どうしちゃったんだろう…)
頬を両手で抑える。
「Sei da solo ?」
はっと顔を上げるとニコニコ笑った若い男の人が立っていた。イタリア語だから…ちょっと今のはわからなかった…
『え、えーっと…
Vi piace qualcosa ?』
日本語で、「何か御用ですか?」という意味だ。
「Improvvisamente mi dispiace, perché c'era una giovane e bella signora」
…ダメだわからない。
どうしよう…
「Mi chiedo se il futuro tempo libero? Se non giocare insieme e che quando è buono ?」
ぽかんとしてるしかなかった。
イタリア語わからないんですって言ったほうがいいかな…
オロオロしていると、両手に紙袋を持ったスクがやって来るのが見えた。目線で助けてと訴える。
するとスクは気づいたのか駆け足で私のところにやってきて、私の目の前の男の人にしゃべりかけた。
「Sembra essere quello che una donna della mia」
「Oh , è rozzo . Io di ragazza carina .」
「Beh io」
(わー…何言ってるか全然わかんなーい…)
でも男の人はスクとしゃべるとどこかに行ってしまった。
「待たせたなぁ。」
『すごいね…何言ってるか全然わかんなかった…私もまだまだだなぁ…』
「まぁイタリア語は難しいからなぁ。ほら、ピザだ。冷めねぇうちに早く食え。」
『わ!美味しそう!』
やっぱイタリアと言ったらピザでしょ。