第3章 ヴァリアーでの初任務
(…ったく、このガキは…)
隣でスヤスヤと寝息を立てて寝てる女にため息が出た。アホ丸出しだな。
(…やっぱり見間違いじゃなかったかぁ…)
首元に赤い跡がある。
助けた時に目に入ったが、すぐ俺の隊服を着せたからな…まぁほかの奴らには見られてねぇだろ。
俺が窓をぶち破って入った時、こいつは襲われてる真っ最中だった。
(…大丈夫そうに振舞ってるが…怖かったろうにな…)
まだ16のガキだ。
危険な目に合わせてしまい申し訳ない。
作戦を考えたのは自分だからだ。
それに、仮にも俺の女だ。
首にキスマークなんざつけられやがって…少し胸糞悪い…
そっと首のキスマークを撫でた。
「………」
キスマークの上から口づけた。
あの男の跡を消すように、強く。
『……ん、』
が唸って寝返りをうった。
……嫉妬、か…
この感情はたぶんそうだ。
俺はを…どんなでも愛しているんだな…
思えば最初からそうだったのかもしれない。
「…、愛してるぜぇ…」
彼女の額に軽くキスをして、俺も眠りについた。