第1章 動き始める
『あの人、部屋の鍵開けてくれないんだけど…』
「まったく…子供ねぇ…」
「でもしょうがないんじゃないですかー?
いつもあんなに先輩にLOVEオーラ全開だったんですからー。」
『そんな全開だったかなぁ…?』
「にぶすぎ。」
会議が終わってから、スクが私を部屋に入れてくれない。だから談話室でボスとスク以外のみんなで話してる。
「は寂しくないのか?」
レヴィに聞かれた。
『寂しいに決まってるじゃん。スクにも、みんなにも会えないんだよ?』
「そうよね〜…」
『スクより私の方が絶対寂しいと思うの。
だってさ、ここには10年前の私が来るわけだし、みんながいるじゃん。でも私は一人ぼっち。スクがなんであんなへこんでるのかがよくわかんないよ。』
「…」
『レヴィ涙ぐまないで、ちょっと気持ち悪い。』
「なっ!?」
「ししっ!言えてる。」
はぁ…ともう一つため息が出た。
『10年前の私はいつ来るんだろう…』
「それは誰にもわかりませんねー。
3分後かもしれないし、明日かもしれないし、明後日かもしれません。」
『そうだよね~…』
「ちゃん、もう一度スクのところ行ってきたら?」
ルッスにそう言われて顔をあげた。
『うん…そうする…
紅茶ごちそうさま。』