第1章 動き始める
ガッシャーン!!
ほら、だから急ごうって言ったのに…
「遅せぇ…」
スクアーロと私の間に、お酒が入ったグラスが飛んできた。
「こんのやろ…!!に当たったらどうしてくれんだぁっ!!!!」
『もう、スク…当たんなかったからいいよ。早く席に着こう?』
「ちっ…」
「相変わらず隊長は先輩だけには甘いですね~。」
「ししっ…!ほんとほんと〜!」
「聞こえてるぞぉっ!!」
『スクうるさいっ!』
「…ガキ共がこの世界に来たみてぇだ…」
ボスが低い声で話し始めた。
その瞬間ぴたっとみんな静まり返る。
「ガキ共って…まさか…!」
ばっとみんなが私の方を向いた。
『10年前の…私達…?』