第1章 動き始める
「う"ぉおいっ!!!!!!
じっとしてろって医者に言われただろうが!!!」
『ちょっとスクうるさい!!別にこれくらい大丈夫だし、あなたの声の方がお腹に響いて悪影響よ!!』
私がちょっと大きい荷物を持っているだけでこれだ。心配症すぎるのよこの人は。
「う、わ、わかった…
だからほら、その荷物貸せ。
部屋まででいいんだろ?」
ちょっと声のトーンを下げて私の荷物を取り上げた彼に、少し笑みを浮かべた。
『うん。ありがとう。』
なんだかんだ言って彼は優しいのだ。
まぁそこに惚れたっちゃ惚れたんだけど…
「二人とも!!ボスが呼んでるわ!!緊急集会よ!!」
平和ボケしてる頭にルッスの声が響いた。
「緊急…?白蘭が動いたか!?」
「いいえ、そうじゃないの。
とにかく!急いでね!!」
ルッスがそう言って走っていってしまったので私たちは顔を見合わせた後、スクアーロは荷物を廊下に置いた。
『ちょっと、緊急なんだから走らないと。』
「あ"ぁ?そんなことしたらてめぇの腹に負担かかるだろ。」
『私そんなやわじゃないわ!!
お腹の中の子も…!ほら早く!!』
「う、う"ぉ"おおぃっ!!!!
だからってもうちょっとスピード下げろ!!」