第2章 君を守る【カラ松】
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一ヶ月後・・・
「ちゃん、カラ松兄さん、舞台成功おめでとう!そしてお疲れ様~!」
トド松先輩のお祝いの言葉と共にかんぱーいという声とグラスを打ち鳴らす音が部屋に響く。
「ありがとうございます!ここまでやってこれたのも皆さんのおかげです!それに、パーティーまで開いてもらって・・・」
私は皆の顔を見ながらお礼を言った。
そしてカラ松先輩と目が合う。
私は一気に顔が熱くなって目をそらしてしまった。
実はあのキスをした日、私はどうしていいかわからなくなってその場から走って逃げてしまっていた。
舞台の練習に差し支えるかなと思ったけど、恥ずかしくよそよそしい感じが逆に良かったみたいで柚木先生には高評価だった。
カラ松先輩は流石でいつもと変わらない堂々とした演技をしていた。
そして、プライベートで先輩に会うのはあれ以来初めてだった。
すると、私の様子を見ておそ松先輩がずいっと私に寄ってくる。
「ちゃん、カラ松と何かあったの?」
「え!?な、ななな何もないですっ!!」
しどろもどろだし顔真っ赤だしで私の嘘はバレバレだった。
おそ松先輩はテンパり過ぎと言ってゲラゲラ笑った。
「おそ松先輩、やめてください!」
「え~、なになにぃ~?カラ松兄さんとちゃん一緒にやきうしたの?いいなぁ~」
「えっと・・・してないです」
「十四松兄さんはちょっと黙ってて!え?ちゃん、何かされたの!?」
「えっと、違うんです!!」
「ちょっと、皆止めなよちゃん困ってるだろ?」
わいわいと一気にその場が騒がしくなった。
私は質問されるたびにあの事を思い出してやっぱりその場にいられなくなり立ち上がった。
「ちょ、ちょっと家に忘れ物したので取りに帰ります!ごめんなさいっ!」
そう言って襖に手をかけると、左腕を誰かに攫まれた。
驚いて振り返ると、カラ松先輩だった。
心臓が壊れてしまいそうなくらいバクバクとなる。
息をするのを忘れてしまいそうだった。
「せ、先輩・・・離してく」
「いや、離さない」
私たちの間に沈黙が流れる。
その横でおそ松先輩が楽しそうになになにと私とカラ松先輩を交互に見遣って言う。
するとカラ松先輩が私の方を見たまま話し出した。