第2章 君を守る【カラ松】
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カラ松先輩に連れられて学校近くの小さな公園にやってきた。
ここまでの道中もベンチに腰掛ける今も会話はない。
私は怖くてうつむいたまま何も言えなかった。
今日の昼休み、おそ松先輩が言っていたことを思い出す。
私から話す前に最悪の場面を見られてしまった。
私は結局、カラ松先輩にこんなにつらそうな顔をさせてしまった。
カラ松「・・・」
私は恐る恐るカラ松先輩を見る・・・
よりも前にカラ松先輩に抱きしめられた。
苦しいくらいに強く・・・
そして、震える声が降ってくる。
カラ松「辛かったよな?怖かったよな?一人で・・・抱え込んでたのか?・・・ぐすっ・・・悪い、泣きたいのはお前なのに。」
私は酸素を求めて上を向いた。
そして、カラ松先輩の涙を見て目の奥が熱くなった。
愛しい先輩が、私のために涙を流してくれている・・・
私は、その涙を指先で拭い、泣きそうで声を詰まらせながらも言った。
「うれ、しいです・・・先輩が私のために涙を流してくださって・・・でも、泣か・・・ないで、ください」
カラ松「あぁ、すまない。・・・あのステージから落ちたのは事故じゃなかったのか?」
恐る恐るといった感じでカラ松先輩が私に尋ねる。
一瞬否定の言葉を口にしそうになって、はっとする。
いけない・・・ちゃんと話さなくちゃ。
私は少しずつ話し始めた。
ステージから落ちた時の事、その翌日の部室での出来事、おそ松先輩たちが助けに来てくれたこと。
彼は、見守るような表情で最後まで聞いてくれた。
そして言った。
カラ松「辛いことなのに・・・話してくれてありがとう」
「黙っていて、すみません」
カラ松「お前は優しいから、きっと、俺のことを案じて黙っていたんだろう?」
「せん・・・ぱい・・・」
カラ松「お前の事ならよくわかっている。今まで気づいてやれなかった奴の言うことなんて何の説得力もないかもしれないが・・・。俺はお前が入部してきてからずっとお前を見ていたからな」
「え?」
今まで、裏方だし話す機会なんてほとんどなかったからまさか、ずっと見られていたなんて思っていなくて、今まで恥ずかしいところを見られてなかっただろうかとそわそわする。