第2章 君を守る【カラ松】
カラ松side
今日最後の授業が終わった。
俺は、チャイムと同時に教室を出た。
そして、加藤の姿を見つけると気づかれないよう後をつけた。
加藤は立花と如月と合流すると少し話してから部室に向かった。
俺が彼女たちのあとをつけているのは説明するまでもない。
彼女たちにやましいことはないという証明。
そして、の安全の証明。
加藤たちが部室に入ってすぐ、やってきた演劇部員数名に紛れて部室に入った。
すると、加藤たちに囲まれたがいた。
一瞬ドキッとしたが、一緒に話していたくらいでは何の証明にもならない。
俺は少し遠巻きに観察していた。
はどうやら携帯を見せられているようだ。
やはり考え過ぎだった。
きっとゲームアプリの話とかそういった他愛のない話をしているのだろう。
・・・そう思った。
そして、練習に入ろうと立ち上がろうとした時だった。
の様子がおかしいことに気が付く。
・・・震えている?
気分が悪いのではと近づいた。
俺は見てしまった。
携帯画面に映るショッキングな画像を。
違うと思いたかった。
でも、それは間違いなくの姿。
スカートを捲し上げられている写真。
そこにうずめられる誰かの顔。
スカートに伸びた何者かの腕。
こじ開けられたシャツ。
・・・そして、終始涙にくれる彼女の顔。
その顔は間違いなく望んでされているのではないということを物語っていた。
俺は今にも崩れ落ちそうなの目を塞いだ。
そして、加藤たち三人を威圧するようににらみつけ、怯んだのを確認すると、を抱き上げ踵を返した。
戸惑うをよそに、俺は部長に一言、が気分が悪いので連れて帰ると告げて部室を後にした。