第2章 君を守る【カラ松】
おそ松side
ちゃんが俺の傷を心配してきたときは本当に驚いた。
人の心配なんてしている余裕なんてないだろうに。
ほら、今だって心底辛そうな顔をしてる。
寂しそうな顔・・・
「ちゃん、カラ松呼ぼうか?」
ちゃんの肩がピクリと動く。
そして、静かに首を振った。
「カラ松先輩には内緒にしてください!!」
・・・やっぱりね。
「あいつが知ったらショック受けるから?」
「優しい人ですから・・・先輩の悲しむ顔は見たくないんです。」
「ありがとな」
「え?」
「弟のこと、そんなに大切に思ってくれて。」
ちゃんは真っ赤になる。
「ほんっと、わかりやすすぎ。おそ松先輩妬いちゃうなぁ~」
よくわかってないのかきょとんとしているのでとどめを刺してみた。
「俺たちが気付かないと思ったぁ?・・・クッキー」
ちゃんが勢い良く立ち上がる。
その顔は耳まで真っ赤に染まっていた。
お菓子をもらったあの日の晩。
六人でそろって包みを開けた。
それぞれのトレードカラーのリボンで結ばれたつつみ。
俺たちは当たり前のように自分の色を手に取った。
ことの発端は十四松の一言。
十四松「わーい!ボクのハートがいっぱい入ってる~!」
一松「いや、俺の方が多い・・・」
おそ松「十四松と一松いくつあるんだよ?俺のも結構入ってるよ?」
そして、全員でハート型のクッキーを出し合った。
そこで気が付いた。
カラ松のにだけピンクのハートが入っていることに。
偶然かとも思ったけど、母さんたちのにも入っていなかった。
そこで俺は再び仕掛ける。
「おい、カラ松、そのピンクのハートとココア味のハート交換しようぜ?きっと、俺のに入れるつもりが間違えたんだって」
カラ松「な、何を言う!これは俺のだ!」
あの時のカラ松は間違いなく交換しようとした。
だけど、俺のに入れるつもりでって下りで表情が変わった。
そして、むきになってピンクのハート型のクッキーを死守した。
きっとカラ松はちゃんのことを意識し始めてる。