第2章 君を守る【カラ松】
チョロ松side
男たちが立ち去った後。
僕達はちゃんに何と声をかけていいのかわからずにいた。
静寂がその場の空気を支配しかけた時。
誰かがそれを遮った。
???「大丈夫・・・ですか?」
驚きだった。
声を発したのはちゃんだった・・・
からじゃない。
今、君が一番心配されなくちゃいけない状況で人を気遣う言葉がどうして出てくるんだろう?
女の子にとって一番つらい仕打ちを受けた。
治ることのない傷を受けた君がなぜ、いつかは感知するおそ松兄さんの手なんか気にしてるんだ!
でも、ちゃんは本当に心底おそ松兄さんの手を心配しているようだった。
おそ松「大丈夫大丈夫~、このくらいすぐ治るって!」
おそ松兄さんはぺっぺと傷口に唾をかけて見せた。
それをちゃんが慌てて止める。
「ダメです!そんなの迷信です!ちゃんと保健室に行かないと!」
おそ松「ん~、保健室は却下かなぁ。」
「なぜですか!?」
おそ松兄さんは少し困った顔をしたが意を決したように話した。
おそ松「この傷、手を滑らせて切りましたとかのレベルじゃないしさ、説明に困るじゃん?本当のこと話すわけにはいかないだろう?」
すると、ちゃんは心底申し訳なさそうな顔をする。
見てられずに僕はフォローを入れた。
「よけれたのに格好つけたこの人が悪いんだから気にしないで?」
おそ松「そーそー!どうしてもっていうなら、ちゃんのシャツのボタンチョロ松が付け直してる間にちゃんが手当てしてくれてもいいよ?」
ちゃんを元気づけようとしているのか、はたまた何も考えていないのかわからないけど、いつもの剽軽な感じでさらっと美味しいことをしてもらうつもりらしい。
前者であることを願って今回は目をつぶる。
チョロ松「僕、家庭科室で針と糸取ってくるよ」
おそ松「よろしくー。十四松、ちょっとお遣い行ってきて?」
十四松「いいよ~。何のお遣~い?」
おそ松「こっそり保健室から包帯と止血用の布持ってきてくんない?」
十四松「こっそりだね?任せといて!いってきぃ~マッスルマッスル~!!」
ぶわっと風を起こして十四松が消えた。
僕も家庭科室に走った。