第2章 君を守る【カラ松】
耳がキーーーーーンとなる。
音源を挟んで向こうに立つチョロ松兄さんも耳を塞いでいる。
たった今、おそ松兄さんが怒鳴った。
叫んだ?
否、吠えた。
おそ松「俺の手なんかよりもずっとずっといてぇ思いしてんだろうがああああああああ!!!!!!」
同時に、カッターを握った手に更に力を込めカッターごとリーダーの男を引き寄せみぞおちに盛大な一発をめり込ませた。
カッターを握る手からは血が飛び散る。
リーダーの男はその場に崩れ落ちた。
他の奴らは逃げようとしたところを十四松兄さんに連れ戻される。
十四松「ねーねー、やきゅうしようよ~」
「「「ぎゃぁあああああああああ、ご、ごめんなさい!!ゆるしてくれええええ!!!」」」
伸びきったリーダーの男と手下の三人はおそ松兄さんに正座させられる。
チョロ松「ねぇ、その手大丈夫なの?」
おそ松「ん?ああ、へーきへーき」
おそ松兄さんはいつもの能天気な感じに戻っていた。
血でベトベトの手をひらひらと動かして見せた。
そして、男たちの前にしゃがみこむ。
おそ松「ねぇ、別に俺らあんたらを取って食おうってんじゃないんだよね?」
「「「はい、ありがとうございます!!」」」
おそ松「いーこいーこ♪じゃ、今後一切あの子に・・・」
そこまで言っておそ松兄さんの声色が変わる。
おそ松「ちゃんに指一本触れるな」
「「「ひぃぃぃぃぃっ!!は、はいっ!!」」」
おそ松「あ、そーそー。首謀者の名前教えといてくれる?」
僕はポケットの中で携帯の録音を開始した。