第2章 君を守る【カラ松】
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屋上に向かう途中、数人の男子生徒に取り囲まれてついてこないとカラ松先輩に危害が及ぶと脅され、ここまで連れてこられた。
私は抵抗もできず、されるがまま。
恐怖とショックと恥ずかしさとで心はぐちゃぐちゃだった。
痛い・・・誰か助けて・・・
そこでカラ松先輩の顔が頭に浮かぶ。
涙が一層あふれた。
その時だった。
ガタガタガタ!!!
目の前の棚の教材が床に転げ落ちた。
そこにいた人の顔に一瞬ドキッとする。
そこには一松先輩と十四松先輩が立っていた。
「せ・・・先輩」
私は、安堵からか、全身の力が抜けた。
と同時に、身構えるために私を捕まえていた腕から解放されその場に倒れこんだ。
と、頭上から男の人の苦痛に耐えるような声が聞こえた。
何が起きたのか確認するため視線を上に向ける。
リーダー格の男のみぞおちに一松先輩の拳がめり込んでいた。
リーダー格の男はその場で動けなくなる。
一松先輩は十四松先輩に振り向き
一松「十四松、あとよろしく」
そう言って、私の前に腰を下ろした。
ただ泣きじゃくる私に一松先輩は自分の制服をかぶせて抱きしめてくれた。
一松「怖、かったよね?・・・ごめん、遅くなって。もう、大丈夫。」
そして、優しく背中を撫でてくれた。