第2章 君を守る【カラ松】
カラ松side
十四松は大丈夫だろうか・・・
皆、のことを気に入っていたようだし、あの様子だと今頃・・・
そんなことより気がかりなのはのことだ。
一松が言っていた・・・
『”落ちた”んじゃない』
考えているうちに気が付けばの家の前に来ていた。
「カラ松先輩、今日はありがとうございました!おやすみなさい」
「ああ、おやすみ・・・」
は玄関に手をかけた。
しかし、その動きが止まった。
「私、このままでいいんでしょうか?」
「このまま・・・とは?」
「裏方なのにあんな重要な役を頂いたままでいいのかなって・・・もっとふさわしい人がいたんじゃないかって・・・」
「柚木先生の言っていた通り、俺もお前が適任だと思う。そりゃあ、重要な役だ、演じたかった部員は少なくないと思う。だが、やりたい役だけできるというものではない。」
は背を向けたまま俺の話を聞いていた。
「しかし、今更そんなことを言い出すなんて・・・何かあったのか?」
兄弟たちの言っていたことを思い出す。
と、が振り返って言った。
「ごめんなさい、心配させるようなこと言っちゃって。でも何もないので安心してください。一生懸命自分の役目を果たせばいいですよね。自信持てました!ありがとうございます。おやすみなさい」
笑顔でそう答えて玄関を閉めた。
何かを必死に隠そうとしている・・・
そう感じた。