第2章 君を守る【カラ松】
おそ松side
ちゃんは恥ずかしくてこの場にいられなくなったのか台所に消えていった。
丁度いい。
「おい、カラ松」
カラ松「何だ?」
「あのさ、ちゃん本当は裏方なんだろ?何で急にそんな重要な役任されたの?」
俺はちゃんが舞台から落ちた話の中で疑問に思ったことを聞いた。
カラ松「顧問の柚木先生の希望だ。イメージにぴったりだったらしい。だから、演じるというより普段通りふるまえと稽古中も言われているくらいだ。」
「ふ~ん。」
チョロ松「おそ松兄さん、何か気になることでもあるの?」
カラ松「そうなのか?」
「う~~~ん。気になるって程でもないんだけど・・・前にカラ松言ってたじゃん?文化祭の舞台は結構今後を左右する重要な舞台だって。」
カラ松「あぁ、年末の一番大きな大会の配役に影響するからな。」
「ブーイングとか上がらなかったのか?」
カラ松「なぜブーイングが起こるんだ」
トド松「わっかんないかなぁ~?重要ってことは出番もそれなりなんでしょ?しかも・・・イタいのに演劇部で人気上位に入るカラ松兄さんの恋人役。女の子なら皆嫉妬するよ。しかも裏方の子にその役を奪われたんだから。」
カラ松「しかし、嫉妬したやつがいたとしてそれがどうしたっていうんだ?」
俺が口を開こうとした時、それまで黙っていた一松がボソッと言った。
一松「”落ちた”んじゃない」
一松は、あまりにも鈍感なカラ松に耐えられなかったらしい。
カラ松「!!?」
一松の言葉に鈍感なカラ松もやっと察したようだ。
「俺もそう思うぜ。」
トド松「・・・落とされた」
チョロ松「うん」
カラ松は唖然とした表情で固まった。
言葉を失っているみたいだ。
無理もないかなぁ。
カラ松は兄弟の中でもずば抜けて他人に甘い。
身内を疑うことを知らないからな。
沈黙が流れる。
「ま、あまり深く考えんな、カラ松!お前に人を疑えってのも荷が重いだろう?疑わなくていい。」
チョロ松「じゃあ、どうするのさ」
「カラ松がちゃんを守ればいい!」
カラ松「おそ松・・・」
と、ガラガラと勢いよく玄関が開く音がした。
十四松「ただいマッスルマッスル~!」
おカチ一ト「お帰り、十四松(兄さん)」