第2章 君を守る【カラ松】
そして今に至る。
王宮で行われる舞踏会。
私、クレアは初めて着る豪華なドレスに初めての舞踏会で緊張し、会場の端であたふたとしているシーン。
そこへカラ松先輩演じるアランが手を差し伸べてエスコートしてくれる。
カラ松先輩が舞台袖から私を探すようにきょろきょろとしながら出てきた。
舞台上では右に左にと他の部員が手を取り合い踊っている。
それをカラ松先輩はうまくかわしながらこちらへと近づいてくる。
そして、私に気づいたように笑顔でこちらに向かって手を振る。
演技ではなく、本当に赤面しはにかみながら小さく手を振り返した。
その時だった
私の右前方で踊っていた女子生徒がこちらに大きく下がってきた。
左前方のカラ松先輩に気を取られていてそれに気づくのが遅れてしまった。
女子生徒とぶつかり私の体はステージから投げ出されてしまった。
カラ松「!!」
とっさに伸ばした手はカラ松先輩の手に軽く触れただけで、むなしくも体育館の床に叩き付けられた。
私はざわつくステージを見上げた。
私にぶつかった女子生徒は何故かニタニタと笑ってこちらを見ていた。
いや、その女子生徒だけではないようだった。
そんな中カラ松先輩がステージから飛び降り、私に駆け寄ってくれた。
しかし、脳震盪を起こしたのか動けない。
そして私はそのまま意識を手放した。