第2章 君を守る【カラ松】
先生は私の落とした台本を拾って、差し出しながら言った。
柚木「あなたの雰囲気がこれ以上ないくらいクレアのイメージに合ってるの。やってくれないかしら?」
「で、ででででも・・・」
柚木「でも?」
「私、演技なんてやったことありませんし・・・それなのにこんな重要な役勤まらないと思います」
恐る恐る先生の顔を見る。
先生はとても優しい表情だった。
柚木「無理に演じようとしなくていい。いつも通りのあなたでいいの。それに、演技なら教えてくれる先輩、同級生いくらでもいるでしょ?」
カラ松「そう不安そうな顔しなくていい、。演技なら俺が少しは教えられる。」
愛しい声に心臓が大きく鳴った。
声のした方を振り返ると、声の主、カラ松先輩が既に私のすぐ傍にいて、後押しをするように私の背中をポンポンと叩いてくれた。
思っていたよりも近くにあったカラ松先輩の顔。
自分の顔が真っ赤になっていくのに気づいて慌ててうつむく。
柚木「松野もこう言っているんだし、どうかしら?」
「あ、ありがとうございます。頑張ってみます!!」