第1章 溶解度39.6℃【おそ松】
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おそ松が急に私のお尻をわしづかみにしてきた。
びっくりして振り返る。
おそ松「え、何?触ってくれってことなのかと思って♪」
「そ、っそそそ、そんなわけないでしょ!!?」
恥ずかしくて目が回りそう/////
腰からは力が抜けてしまって動けない。
なのにおそ松が詰め寄ってくる。
私の心臓は壊れそうなぐらいドクドク言ってる。
おそ松「俺だって男なんだぜ?目の前に尻突き出された挙句、おっぱいまで見せられたら我慢できない」
「ええ!!?お、おおおおお」
おそ松「うん、乳首までしっかり♪」
と言ってニヤニヤと楽しそうにしているおそ松は、もうくっつく寸前まで近づいていた。
そこでようやく体が動いた。
「バカ!近いっ!!」
おそ松を突き飛ばした・・・
はずの私の両手はおそ松にがっしり捕まえられてしまった。
熱があるとはいえ男の子の腕力に私の腕力じゃ敵いそうもない。
「お、おそ松・・・離して?」
ドキドキしすぎて何が何だかわからず涙が溢れた。
おそ松「近寄ったくらいで泣かれたら、俺傷ついちゃうな・・・そんなに嫌?」
「嫌・・・じゃないけど」
おそ松「十四松とはよく抱き合ってるじゃん?」
「あれは、何ていうか・・・その」
友達同士のハグ。
頭じゃわかっていてもドキドキが邪魔して言葉が出ない。
このドキドキはいったい何なの?
おそ松「どう違うの?ちゃんとの口で説明してよ」
おそ松の顔からさっきまでの楽しそうな笑みが消えて真剣な眼差しだった。
・・・どうしよう、目がそらせない。
「あんまり見ないでぇ・・・えっく」
視線がドキドキに拍車をかけ涙を呼ぶ。
おそ松「見られるのすら嫌?」
「ドキドキするの・・・よくわかんないけど
おそ松が近いとドキドキして、どうにかなっちゃいそうで・・・私、私・・・」
必死で訴えた。
ドキドキして苦しくて、その状況から解放されたくて。
そしたら、おそ松から思いがけない返事が返ってきた。
おそ松「え?俺のこと好きなの?」
「ええ!?な、何でそうなるの!!?」
おそ松「・・・」
「お、おそ松?」
おそ松「だって、俺だってお前が近くに来たら嬉しいけど、ドキドキするし」
私の思考が停止した。